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2022年1月21日 (金)

七福神は身近なカエルたちのそばにいる。/かえるモノ語り-自然と文化をつなぐカエル61 「ほっと・ねっと」2022年1月号

<七福神は身近なカエルたちのそばにいる。>

高山ビッキ(100年カエル館)

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 毎年年頭は皆さまのご多幸を願って、一〇〇年カエル館のコレクションの中でも縁起物としてご利益がありそうなカエルグッズを紹介しています。

 今年は七福神を背中に乗せた金色の福蛙(写真)です。

 「七福神」と「福蛙」を合わせて、これ以上ないラッキーアイテムを造りたいという制作者の思いが伝わります。

 同様のことを同館の企画でも試みたことがあります。私たちの表現手段は展示イベントですので、アニメ作家で画家の前田康成さんにオリジナルの「七福神蛙」を描いていただき、その神様たちそれぞれの世界観に、写真家の矢内靖史さんのカエルの写真作品を組み合わせてホテルギャラリーに展示しました。

 たとえば、前田さんが描いた、カエルの姿で釣り竿と鯛を持つ「恵比寿蛙」には、矢内さんが写した繁殖期のカエルの写真を合わせて展示し、恋愛や結婚成就の願いが叶うように。

 音楽や知恵の神で、琵琶を奏でる「弁財天蛙」は、美しい鳴き声を聞かせるカジカガエル等の写真を合わせて学問や芸術・芸能を極めたい人のために。

打ち出の小槌(こづち)と大きな袋を持った豊穣の神「大黒天蛙」には、害虫を食べてくれる田んぼのカエルたちをパートナーとして。

 凛々しかったのは武将の姿をした守護神の「毘沙門天蛙」。繁殖期の〝カエル合戦〟に負けないオスのカエルや強面(こわもて)のヒキガエルを共通のイメージに。太鼓腹と大きな袋がトレードマークの「布袋蛙」は、案外、体は小さいけれど鳴くときにはのどの辺りにある鳴(めい)嚢(のう)という鳴き袋を大きく膨らまし、鳴けば恵みの雨が期待できるアマガエルが適役かと。そして、長寿を象徴する「寿老人蛙」と「福禄寿蛙」には、日本のカエルの中で比較的寿命が長いといわれるヒキガエルに登場願いました。

 テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」の作家でもあった前田さんの愛らしく表現力豊かな絵と、福島に生息するカエルたちを愛情をもって撮影している矢内さんの写真は、見事な幸福オーラを放ったのでした。

 庭や田んぼでカエルを発見したら、大切に思ってください。幸せをもたらす七福神蛙かもしれません。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

 

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