かえるモノ語り―自然と文化をつなぐカエル 51「ほっと・ねっと」2021年3月号 「春先に初めて出会ったカエルに大切な人を思って」
<春先に初めて出会ったカエルに大切な人を思って>
高山ビッキ(100年カエル館)
フジモトマイコ作品
ひとりの女の子と、春に地上によみがえるように現れたカエルとの出会い。
「雨が降るかもしれないからこれを持って行きなさい」
「でも、その傘じゃ私には小さいかも……」
そんな「かえるモノ語り」の始まりを感じさせる絵が、休館中の100年カエル館に届きました。
送って下さったのはアーティストの藤本芽子(ふじもとまいこ)さん。
コラージュやイラストレーション、時には立体で表現される彼女のファンタジックな作品世界は、じっと見ていると、こちらの記憶にあるフォークテイル(民話)が引き出されるような気持ちになります。
描く対象として「カエル」にもとても親しみを感じられていて、私たちが国際カエル年(2008年)にホテルでのイベントを開催したときに、芽子さんにカエルが登場する作品を出品していただき、100年カエル館にも、彼女のカエルの作品を展示しています。
芽子さんとの出会いは、お父様に仕事でお世話になっていたことがきっかけです。お父様は作家の故藤本義一氏。100年カエル館を運営する私たちの会社は広告代理業で、藤本先生にはPR誌によくエッセイを執筆していただきました。
先生は私たちのことを雑誌で「はじめは世の中にはケッタイな姉妹がいるものだと思っていた」(『モノマガジン』1999年「集めるモノ」より)と紹介して下さったことがあります。
カエルのモノを集めたり、カエルについて調べたりする情熱を、お笑い文化のど真ん中を知る関西人の藤本先生から「ケッタイ」と評されて、益々この道を極めなければと思ったものでした。
仕事でお会いすると、お嬢さんの芽子さんのことをいつもお話されていたので、この絵を見て冒頭のような父と娘の会話が聞こえた気がしました。
春先に一番に出会った冬眠明けのカエルに亡き大切な人を思うことがあります。「赤頭巾ちゃん」を見守るようなカエル。父と娘の姿に見えました。
<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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