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2021年2月25日 (木)

かえるモノ語り―自然と文化をつなぐカエル㊿「ほっと・ねっと」2021年2月号 「夜櫻蛙が見上げる明治の偉人たち」

<夜櫻蛙が見上げる明治の偉人たち>

高山ビッキ(100年カエル館)

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 東京・浅草、浅草寺(せんそうじ)境内の一画に、喜多方が生んだ明治の偉人、日本のナイチンゲール、社会福祉の母と呼ばれた瓜生岩子(うりゅういわこ)女史の銅像が設置されています。

 女史はその晩年、日本最初の福祉施設東京養育院の幼童世話係長を務めましたが、その任務を要請したのは、2月から始まったNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、当時日本の実業界を指導育成し、東京養育院の院長も務めていた渋沢栄一(1840‐1931)でした。

 そして今回掲載している写真は、やはり明治に活躍した日本画家の渡辺省亭(わたなべせいてい)(1851‐1918)が描いた花鳥画を収めた和綴じ本「省亭花鳥画譜」(100年カエル館蔵)の中の「夜櫻蛙」。

 今世紀に入って伊藤若冲や葛飾北斎などの江戸期の絵師、そして河鍋暁斎や柴田是真といった幕末・明治を生きた絵師に焦点を当てた美術展は数多く開催されましたが、今年はこの渡辺省亭が注目されそうです。  

 今ではあまりその名前を知る人は少なく忘れられた存在になっていたようですが、今年は3月から5月にかけて東京藝術大学美術館(東京・上野公園)を皮切りに巡回展が開催されます。

 この画人を語る上で特筆すべきは、日本の画家として初めて渡欧し2年間パリに滞在して、印象派の画家、ドガやマネと交流したことでしょう。

 若い頃に江戸の絵師として修業し身に着けた技と美意識は、パリで出会った油絵の技法を取り入れることで、日本美術史上類例を見ない絵画表現に達したと評されています。

 省亭の作品が海外で初めて評価されたのは1878年のパリ万博でしたが、その約10年前の幕末、パリ万博使節団として渡仏したのは若き日の渋沢栄一でした。

 フランスから帰国した省亭は結婚し浅草に住み、浅草で没しました。

 今回は省亭のカエルの絵に、幕末から明治へという大きな時代変化をそれぞれ独自の道を歩みながら、どこかに接点をもっていた3人の偉人に思いを馳せてみました。

 毎年「さくらまつり」で賑わう喜多方。今年はコロナ下でいつも通りに見られるかどうかまだわかりませんが、できれば夜桜をこのカエルのように希望をもって見上げたいものです。

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

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