« [カエル白書Vol.3」■かえるモノ語り歳時記2019年6月 | トップページ | [カエル白書Vol.3」■かえるモノ語り歳時記2019年8月 »

2020年5月15日 (金)

[カエル白書Vol.3」■かえるモノ語り歳時記2019年7月

<36人のガマ仙人が集まった松本かえるまつり>

高山ビッキ(100年カエル館副館長)

2019_20200515064001

北野天満宮(京都)の蟇股の蝦蟇仙人

 本連載で「蝦蟇仙人に会いたい」をテーマに100年カエル館に展示している「ガマ仙人」の置物を紹介したのが一昨年の秋。その後も私はガマ仙人を探しに山へ修業に……。と、いうわけではありませんが、この6月、幾人かのガマ仙人と会うことができた(⁈)ので報告いたします。

 長野県松本市の女鳥羽川沿いの「ナワテ通り」では、毎年6月に「松本かえるまつり」を開催し、今年で18回になります。

全国からカエル好きの皆さんが集まるお祭り。6月22日、私たちは四柱神社の斎館でカエ~ル大学2019の第1回講座を行いました。

 その講座のテーマが「日本各地でガマ仙人に会いたい!」でした。

 中国由来の蝦蟇仙人の存在は、それを画題に描いた顔輝(がんき)という中国の絵師の絵を通じて日本にも入って来ました。江戸期の絵師もそれをモチーフにする人が少なくなかったことは以前も紹介しました。

 さらにそのガマ仙人が、日本各地で寺社建築やお祭りの山車(だし)の装飾に潜むように存在していることを知って、この仙人が日本文化の伝統の中にしっかり息づいていることを感じました。

 写真の蝦蟇仙人は、京都の北野天満宮の本殿の蟇股(かえるまた)の意匠として彫り込まれた蝦蟇仙人です。蟇股という伝統建築の梁や桁で重荷を支える部材自体、蛙が股を開いて座している様子から付けられた名称ですが、その彫刻の意匠が「蝦蟇仙人」という、カエル好きを楽しませるポイントを二つ併せ持つ遺物。この本殿は桃山時代につくられ、この蟇股の装飾も当時からのものとされていることで、江戸時代以前すでに日本人は蝦蟇仙人を縁起のいいシンボルとして信仰の中に取り入れていたと想像できます。

2019_20200515103901

長尾天満宮(京都)の蟇股の蝦蟇仙人

 今回の講座では、他にも京都の長尾天満宮のガマ仙人、長野県の神社やお祭りのお船(山車)などに見られる「諏訪(すわ)立川流(たてかわりゅう)」の棟梁の手になるガマ仙人5人、愛知県半田市で春に行われる山車祭りのガマ仙人3人、富山県の「おわら風の盆」で知られる越中(えっちゅう)八尾(やつお)の曳山祭の絢爛豪華な山車に施されたガマ仙人など全部で36人のガマ仙人に登場いただきました。

 その昔、日本にやってきたガマ仙人がこの国の文化の中で人々にどんな影響をもたらし、どのように各地に広がっていったのか、さらに興味が湧いてきてカエ~ル大学の研究テーマとして調べていきたいと思っています。

 

※「カエル白書」(A5版 モノクロ 68ページ)Vol.1とVol.2は1冊1000円(税込・送料込)で販売しております。100年カエル館HP http://kaeru-kan.com でお申し込みいただけます。

Vol.1内容/◎黙阿弥のひ孫、演劇研究家氏のコレクション展(福島県立博物館にて)報告 ◎明治生まれのカエルグッズコレクター、小澤一蛙のコレクションから見えてきたこと ◎自然とカエルの話題 ◎カエル文化的話題 ◎高山ビッキ連載カエルコラム 他

Vol.2内容/◎「カエルアートミュージアム~進化するカエルアート」展(京王プラザホテルロビーギャラリーにて)報告 ◎カエル先生、岩澤久彰コレクション展」から見えたこと ◎第20回記念両生類自然史フォーラム報告 ◎カエルグッズでめぐる世界の“カエル旅” 他

|

« [カエル白書Vol.3」■かえるモノ語り歳時記2019年6月 | トップページ | [カエル白書Vol.3」■かえるモノ語り歳時記2019年8月 »

カエル白書」カテゴリの記事