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2012年7月13日 (金)

1998年 月の輝く夜に(映画とファッション)

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「月の輝く夜に」

フォーマルライフは“ツキ”を呼ぶ方法

高山ビッキ・文

フォーマルライフをもっている人ともっていない人では、人生に対する前向きさがどれくらいちがうか、映画『月の輝く夜に』を観て考えたい。

映画は、NYのリトル・イタリーあたりに住むイタリア系アメリカ人の生活を舞台に、夫を亡くした後、ツキがないと思い込みオシャレにも気をかけなくなった37歳のロレッタ(シェール)と、その婚約者(冒頭彼女は幼友達のジョニーにプロポーズされる)の弟ロニー(ニコラス・ケイジ)の出会いを描く、ラテン的なコメディタッチのラブ・ストーリー。

導入シーンからクライマックスまでオペラが大切な役割を果している。パン職人のロニーが大のオペラ好きだったことから、メトロポリタン歌劇場での『ラ・ボエム』に誘われるロレッタ。罪悪感にかられながらもロニーの懇願に応える。

しかしそうと決めてからのロレッタの、ソワレ用のフォーマルスタイルづくりはおみごと。美容院でヘアダイをしてすっかり若返り、ブティックのショーウインドーに飾ってあるカクテル・ドレスを買いそれまでの雰囲気をかなぐり捨てて出かける。

そして上演時間中、舞台の盛り上がりとともにロレッタとロニーは愛を確信しあい、オペラに興味のなかったロレッタも終演後、感動で目をうるませながら劇場の階段を降りる。女性が美しくなる方法に「感動すること」がある。じっくりオペラを観て流す涙はどんな美容液にもまさる。

満月の夜は人の心を狂わせる。ロレッタとロニーの出会いもそんな『月の輝く夜』。ともあれロレッタが潔くフォーマルを決めたその気持ちが、それまで不運だった彼女の人生にツキを呼んだのはまちがいない。

■「月の輝く夜に」(日本公開1988年)  監督:ノーマン・ジェイソン 脚本:ジョン・パトリック・シャンリィ 主演:シェール ニコラス・ケイジ ヴィンセント・ガーディ二ア

19984月ファッション専門店PR誌掲載)

※この文章は高山ビッキが1998年に企業のPR誌に執筆したものをほぞそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。※本サイトへのお問い合わせはケーアンドケーまで03(3981)6985

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