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2012年7月11日 (水)

1999年 インテリア(映画に住みたい)

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「インテリア」

完璧なインテリアコーディネートにご用心

高山ビッキ・文

タイトルどおり、この作品は導入から映し出される室内のインテリアがドラマの展開を物語る。

その室内装飾はインテリアデザイナーである、この家の母親の手によるもの。NY州ロングアイランドの海の見える家はみごとに抑制の効いた色調で整然としつらえられている。

登場する家族もまたシックな着こなしで、すべて完璧にコーディネートされている。が、破綻は精神や人間関係のなかに起きている。

後に、父親が再婚すると言って連れてきた相手は、この家族にもこの家の雰囲気にもそぐわない原色のドレスを着て明るく振る舞う、おおらかな女性だった。しかし、その異質さこそがこの家族を救う。

一寸のすきまもなく統一された空間、そして人間関係は息苦しいものかもしれない。

■「インテリア」(初公開1979年)監督・脚本:ウッディ・アレン出演:ダイアン・キートン ジェラルディン・ペイジ EG・マーシャル 製作国:アメリカ

(19997月住宅メーカーPR誌掲載)

※この文章は高山ビッキが1999年に企業のPR誌に掲載したものをほぼそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。※本サイトへのお問い合わせはケーアンドケーまで03(3981)6985

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