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2012年7月24日 (火)

1995年 ドリーム・リアリズム(映画 特集テーマ)

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<特集/ドリーム・リアリズム>

「映画には夢がいっぱいあなたはどの“夢”をみますか

~ドリーム疑似体験」

高山ビッキ・文

ドリーム・リアリストには誰でもいつからでもなれますが、夢と現実を分けて考えがちな現代人にはその感覚を取り戻すまでがたいへんかもしれません。そんなときは、まず、映画作品を見てシミュレーションしてみましよう。

「ドリーム・リアリズム」座標軸を用意しました。夢を実現するためのエネルギーを、意識的な面はX軸の(他力=他人を活かす)か(自力=自分で乗り切る)かで、環境条件的な面はY軸の(軽力=力を抜く)か(重力=責任を引き受ける)かで測ります。

その2つの軸の相関関係からドリーム・リアリズムの主だった4つの方向性が見えてきました。(それぞれ意味するところは座標軸で解説)さて、夢に対するあなたの考え方や行動はどの方向性に近いでしょうか。

●思いやりややさしさがなければ維持できない

「ドリーム・ジャンボ」型の夢

「美人はいいなあ、それだけでみんなからチヤホヤされて、何の苦労もしないでいい夢見られるから」とぼやきたくなる作品群が並ぶ領域。「プリティ・ウーマン」や「幸福の条件」のヒロインは、最初はそれぞれ娼婦だったり、お金に困ったりするわけだけど、引き上げてくれるリッチな男性との出会いに恵まれる現代版シンデレラ・ドリーム。

女性がエステや美容整形に出費するほど美しさに貪欲なのは、この領域への憧れが強いからだろう。ただし、その欲求も度を超すと「永遠に美しく」のように、老化知らずの容貌とプロポーションを手に入れたのはいいが、しまいにはほとんど化け物になってしまう場合も。美貌もさることながら、裏表のない思いやりややさしさがないとここでの夢は長続きしない。

※運に恵まれてあまり苦労をせずに夢を手に入れてしまうこと。しかし、人生はそんなに甘くない。宝くじにあたるような次元の話なので「ドリーム・ジャンボ」と呼ぶことにする。童話に出てくるヒロインは必ず王子様が現れて幸せにしてくれる。無意識にも女性は「ドリーム・ジャンボ」型の夢を抱く修正を身につけていると言えなくはない。女性の社会進出が定着してさえ、玉の輿願望があるのはその習性によるもの。でも、童話にはハッピーエンドのその後が描かれていないので要注意。

「ドリームズ・カム・トゥルー型」の夢に必要な

ひらめきと真実を求める心

「こうなりたい」という思い込みがものすごく強く、それに対して具体的な行動をとるヒロインが登場する。たとえば「ハウスシッター/結婚願望」はたまたま出会った男性の所有している家を写真で見てそこに住みたいと思ってしまう。ほとんど結婚詐欺師のような女性で、ふつうは迷惑この上ないのだが、自分の夢を実現するためにつく嘘八百が天才的なひらめきと想像力にあふれている。

「めぐり逢えたら」は、結婚を目前にマリッジブルー状態のヒロインが、妻をなくし打ちひしがれている男性がラジオで話しているのを聞き、その人こそ自分の求めている人ではないかとひらめき、めぐり逢うべく努力する。

思い込みの強い女性というのは世の中にけっこういて、一歩まちがえると病的になる。それを夢に転換できるかどうかは、真実を求める心があるかどうかにかかわっている。また「フラッシュダンス」や「コーラスライン」など才能で夢を実現するものはこの領域の典型。

※特定のことにすぐれた才能があり、ひらめきや想像力にあふれ、さらにその能力を楽しんでしまう人の夢の実現のしかた。人気バンドのヴォーカルが語る「何かが別次元から降りてくるように発想が浮かぶ」、その感じがつかめるかどうかで、この夢に連なれるかどうかが決まる。イチロー選手はその天才ぶりが“宇宙人”と評されるほど常人離れしているが、人間的な精神修行も怠らず絶えず進化している。まさにこの象限の極に位置する存在。

ある人は華麗に、ある人は愛情深く、

「ドリームフロンティア」型の夢を実現する強い女たち

男顔負けの知力・体力であらゆる困難辛苦を乗り越えていく強い女たちが登場する。

SFものでは「エイリアン」や「ターミネーター」などのように極限状態の問題を解決するのが女性という場合もある。また、「女刑事エデン」や「羊たちの沈黙」などのように犯罪を捜索する側、一方、「ブロンディ」や「甘い毒」などのように犯罪に手を染める側の両方で、強くて賢いヒロインたちがあらゆる重圧をはねのけドロドロになりながら何かを達成しようとする。

かといって、この領域の女性たちが美しさややさしさに無縁かというとそうではない。どの夢を見る女性よりも華麗で愛情深かったりする。特に母親として夢のために戦うとき、彼女たちは並はずれた力を発揮する。

※未知の領域に挑戦し、限界を突破しようとする人の見る夢。冒険といえば昔は男のロマンと考えられていたが、最近は女性冒険家もめずらしくなくなった。空、海、大地への挑戦が冒険の王道と言えるのは、地球に誕生した生命体として重力と正々堂々向きあうからだ。そのためには重力に屈しない強い体と心が必要となる。

最近ベストセラーになった「アリーテ姫の冒険」のヒロインは自分の知恵と勇気でほしいものを手に入れていく。これまでの童話のヒロインのように魔法や王子様に頼ったりしない。まさに「ドリーム・フロンティア」型ヒロインの誕生だ。

●弱くても、病んでいても仲間がいれば大丈夫、

「ドリーム・コミニュティ」型の夢

単独では何もできなくても、友人や仲間たちと協力することで夢を膨らませることができる。ここでは友情、家族愛、夫婦愛などがキーポイントになる。

女の友情の強さを確認するなら「テルマ&ルイーズ」や「フライドグリーントマト」。チームものでは野球の「プリティリーグ」やバンドの「サティスファクション」などがあるが、どちらも男性の応援があってこそできる。

でも「バッドガールズ」や「カウガールブルース」のように、ときには男性が築いていた価値観と真っ向から戦わなければならないときも。そして「男が女を愛するとき」には夫婦愛を、そして「ギルバートグレイプ」や「ホテルニューハンプシャー」には家族愛を見ることができ、それぞれ乗り越えるべき深刻な問題がありながら目線は夢に向っている。

※ある時は他人の力に援けられ、またある時は他人に大きな影響力を及ぼしながら集団で何かを乗り切ったところに拓ける夢。女性だけの集団でも最近は男性社会の問題点なども冷静に評し、平和志向で忍耐強いなど集団でこそメリットとなる女性の持ち味を男女を区別しない世界で活かしはじめている。女性企業家が増えているのもこの領域で説明できる。

(19959月ファッション専門店PR誌掲載)

※この文章は高山ビッキが1995年に企業のPR誌に執筆したものをほぼそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。 ※本サイトへのお問い合わせはケーアンドケーまで03(3981)6985

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