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2012年7月27日 (金)

2008年 ワークライフバランス消費(生活トレンド分析)

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脳内で“”バリと“ユル”を使い分ける

ワークライフバランス消費。

高山ビッキ・文

「脳」や「脳力」をめぐるマーケットの動きは、特に21世紀に入ってからとどまることがない。

テレビ番組「脳内エステ IQサプリ」(フジテレビ系列)をはじめとするクイズ番組が増え、ゲームソフトも「大人の計算ドリル」をヒットさせた医学博士・川島隆太による「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(ニンテンドー)がゲームの新市場を開拓し、脳科学者の茂木健一郎の唱える「脳を活かす勉強法」は、受験生から中高年にまで支持され、就職試験やビジネスの現場では「地頭力(じあたまりょく)」が求められているのだとか。

生活に根付いた「脳論」

脳に対する関心は、90年代以後着実に広がったが、このところの動きは、決して理論上のものではなく、実際の生活に根ざしたものとなっているのが大きな特徴だ。

脳への関心の高まりが脳科学そのものの発達の賜物であることはまちがいないが、それがなぜ、個人の消費生活にまで影響を及ぼしているのか考えてみたい。

バリバリとユルユル

それはひとつには「葡萄図(グレープアナリシス)」に示したように、「ワーク」と「ライフ」のバランスを個人の脳で管理していく時代になったからかもしれない。

21世紀に入ってIT社会が定着した結果、仕事をしようと思えば地球の時差を超えて24時間〝オール・タイム・ジョブ〟も可能だ。格差社会が問題になるなか、脳の使い方ひとつで収入に差が出るのもIT時代がもたらしたひとつの側面と捉えられる。

仕事と生活

最近「ワークライフバランス」という考え方が提唱されている。24時間高収入を得るだけが人生ではないし、これからの仕事は、もっと「ライフ」を通して人とのコミニュケーションを深めることが、さらなるステップアップに必要と思っているビジネスの成功者が増えているのだ。

そこで「葡萄図」では「ユル」と「バリ」を相対する位置に置いた。ちなみに「バリ」はバリバリ仕事をする方向に対して、「ユル」はゆる~い気分である。

生身の脳

脳の専門家によれば、脳はたえずバリバリ全開にしておくより、睡眠やボーっとする時間を上手に活用する方が〝ひらめき脳〟として良い効果が得られるという。飲まず食わずで24時間仕事をしても、生身の人間が健康を維持できるわけではないのだ。

「ユル」をうま~く活かした脳の使い方がこれからは大切になる。IT社会のなかで浮上してきた人対人のコミニュケーションの問題を解消し、より豊かなワークライフバランスを営むためにも、あらためてアナログ的な脳の使い方が、いま、真剣に見直されつつある。

(2008年夏)

※この文章は高山ビッキが2008年に企業のPR誌に執筆した原稿をほぼそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。 ※本サイトへのお問い合わせはカーアンドケーまで03(3981)6985

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