2008年Hanakoさんの再デビューと人生いろいろプレミアム消費
<生活トレンド分析>
「Hanakoさんの再デビューと人生いろいろプレミアム消費」
高山ビッキ・文
「プレミアム」という言葉をよく耳にするようになった。商品広告などではビールからクルマまで、単価の規模を問わず使われる。それは「高級」「ラグジュアリー」「リッチ」といった言葉の意味や語感とどうちがうのだろうか。
その言葉の消費市場における可能性を分析した『プレミアム戦略』(遠藤 功著・東洋経済新報社)では「バブル消費が〝他人のものさし〟に依存した高級志向だったのに対し、
現在の消費傾向には自分らしさという〝自分のものさし〟で高級や本物を求めようとする特徴がある」とする。同書では、市場が成熟することで消費者の欲望の質が高まり、日本人の多くが自分の〝こだわるもの〟〝こだわらないもの〟を選別して消費するようになったと説く。
欲望の質の高さでは人後に落ちないHanakoさん世代の現在について考えてみた。ひと頃Hanakoさんと呼ばれた、現在アラウンド40(おおかた40代)の女性たちの生き方。
彼女たちはバブル崩壊をきっかけに、「結婚」と「仕事」が交差する人生のなかで、それまでの世代にはないこだわりのある豊かさを求めてきた。そこに男女雇用機会均等法の後押しを受けてある時期まではキャリア志向だったが、バブル崩壊の影響と女性本来の幸福感とは何かを求めた結果、キャリアより結婚を優先したマダムHanakoがいる。
彼女たちは、子育てをしながら〝カリスマ主婦〟に憧れ、家事をクリエイティブにこなす努力をしたこともあった。だが、子育てにかかる物理的な時間が減ったいま、再び仕事に復帰すべく動きだしている。彼女たちは、よりプレミアムな生活を送るためには、経済的にも生き方としても再度キャリアの形成が不可欠であることを感じている。
Hanakoさん世代を対象にライターとして仕事をするための講座を開いているところの代表は「彼女たちが働く場合、どんな職種でもいいと思うわけではありません。私たちは生活情報を扱うライターは主婦にこそ向いていると勧めることで、この世代に夢を与えています」と語る。
全般的な消費の冷え込みがまだいわれているが、マダムHanakoが社会に飛び出すことで、プレミアム市場が活性化することを期待したい。
(2008年春)
※この文章は高山ビッキが2008年に企業のPR誌に執筆したものをほぼそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。※本サイトへのお問い合わせはケーアンドケーまで03(3981)6985
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